第135回生誕記念日祝賀会パンフレット
日本ヴェーダーンタ協会が、8月3日、東京で、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの第135回生誕記念日およびラーマクリシュナ・ミッション創立百周年の祝賀会を同時に催すとの知らせを受け、大そううれしく思っております。これを記念して、協会の隔月刊の機関誌「不滅の言葉」の特別号が刊行されるとの知らせも受けております。
スワミ・ヴィヴェーカーナンダによってラーマクリシュナ・ミッションが設立されて、世界全体の、同時にインドの社会宗教運動の分野において、新しい紀元が開かれました。スワミ・ヴィヴェーカーナンダの霊性の師、シュリ・ラーマクリシュナが逝去されたあと、スワミジはインドの津々浦々まで旅をされ、また世界の多くの国々を訪問されました。旅の過程でスワミジは、国は違えど、それぞれの仏教団体の結束の固さに強い印象を受けられました。西洋においては、人々が組織的な方式で働いているのは見て、感動されました。この二つの行動様式に啓発されたスワミジは、大きな仕事を長期的な目標のもとでやるには、組織が不可欠だとの結論に達したのです。
ラーマクリシュナ・ミッション・アソシエーションは、1897年5月1日、カルカッタのバララーム・ボースの家で、小さな祝賀会の席上、スワミ・ヴィヴェーカーナンダによって創設されました。やがて、スワミジによって提出されたミッションの理念と理想は、インドと西洋の知識人たちの間に波紋を引き起こしただけでなく、母国の僧侶や家住者たちに新しい生き方を指し示したのです。ミッションの仕事は、インドの大衆を再生するために先に立って努力することにあります。しかしながら、ラーマクリシュナ・ミッションは単なる社会福祉のための組織ではありません。社会的なかかわりと普遍的な性格を持ちつつも、基本的には霊的な視野を携えているのです。その目的とするところは、人々には神的な本質が備わっていることを悟らせることによって、苦悩と束縛から自からを解放することに手を貸し、同時に、仲間の人間たちに礼拝の精神で奉仕するよう目覚めさせることにあります。
スワミ・ヴィヴェーカーナンダの出現を機に、世界は、人類の生命観の偉大な変化に立ち会ったのです。感官の楽しみにふけりがちな人類から倫理的・霊的に自からを発展させ、他者にも同じようにするよう手助けする方向に向かっています。かくして、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの生涯と教えは、この点に関して世界にとって巨大な貢献となっているのです。
これを機会に日本におけるラーマクリシュナ・ミッションの信奉者、帰依者、支持者の皆さんに幸あらんことを願うと同時に、祝賀会の盛会と「不滅の言葉」特集号の成功をお祈り申し上げます。
スワミ・ブテシャーナンダ
プレジデント
ラーマクリシュナ・マートおよびラーマクリシュナ・ミッション