日本ヴェーダーンタ協会が、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの第１３３回生誕記念日を祝って東京で、「諸宗教の調和と現代世界」というテーマのセミナーを開くということをきいて、私はうれしく思います。私はまた、この行事を記念して隔月雑誌「不滅の言葉」の特集号が発行される、ということもききました。

　「諸宗教の調和」は、最近よく論議される問題です。宗教の調和は、世界にはたった一つの宗教があるべきだ、などという意味ではありません。多くの宗教があって、その信者たちに平安を与えるかわりに争いや不調和をもたらしています。これは宗教そのもののせいではなく、宗教の誤解からくるものです。必要なのは正しい理解と、そして宗教の本質を大切にすることです。このことは、人類があらゆる分野で進歩し、平安と幸福を得るのを、助けるでしょう。スワミジーが言っておられるように、「……もし普遍宗教なるものがあるとするなら…………それは、それが説く神のように無限でなければならない。ブラーミン的でも仏教的でもなく、キリスト教的でもマホメット教的でもなく、これらすべての総計であって、しかもさらなる発展のための無限の余地をのこすものであるべきだ……」この目標に向かってなされるあらゆる努力は賞賛すべきものであって、私は、セミナーで行われる審議と会誌の特集号にのるすべての記事が、宗教の真の意味の理解を助けるものであることを、期待します。

　私はスワミ・ヴィヴェーカーナンダに、この祝祭に関係する皆さんにゆたかな祝福を与えられるよう祈ります。

　行事にたずさわる皆さんの一人ひとりの幸せを祈りつつ、この催しと「不滅の言葉」特集号のすべての、成功を希望します。