スワミ・ヴィヴェーカーナンダ
訪日100年祝賀会パンフレット
世界的思想家の見たスワミ・ヴィヴェーカーナンダ
もしインドを知りたいとお思いなら、ヴィヴェーカーナンダを研究なさい。彼の中ではいっさいが積極的で、消極的なものは一つもありません。
― ラビンドラナート・タゴールがロマン・ロランに
スワミ・ヴィヴェーカーナンダは、もしそういうものがあるとすれば活力のたましい、まさに人間たちの中の一頭のライオンだった。しかし彼が確実に背後にのこした業績は、我々が認識し得た彼の創造の力やエネルギーとは、まったくけたのちがうものである。われわれは彼の影響がいまなお巨人のようにはたらきつつあるのを見る。どのようにかはよくわからない、どこにかはよくわからない、まだ形がはっきりしていない何ものかの中、獅子のような、壮大な、直感で見える、おし上げる何ものかがインドのたましいの中に入って、われわれは言うのだ、「見よ、ヴィヴェーカーナンダはまだ、彼の『母』のたましいの中に、そして彼女の子供たちの中に生きている」と。
― シュリ・オーロビンド・ゴーシュ
私はここ(ベルル僧院)に、今日(1921年2月6日)みなが誕生日を祝っている、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの尊い記憶に敬意を表すべく、やってきた。私は彼の作品を全部、熟読した。そして読み終わった後、私がわが国に対して抱いていた愛は、千倍もふかくなったのである。私は君たち、若い人々におねがいする、スワミ・ヴィヴェーカーナンダが生きて死んだこの場所の精神から何ものかを吸収せず、空手でかえるようなことをしないで下さい。
― マハトマ・ガンディ
彼(ヴィヴェーカーナンダ)は、人の姿をしたエネルギーであった。そして人々へのメッセージは、活動であった。彼にとっては、ベートーヴェンの場合と同じように、それがすべての徳の根本であったのだ。その堂々たる身体が火葬の積み薪の上によこたわったとき、彼は四十歳にみたなかった。・・・
しかし、その積み薪の炎は今日もなお燃えつづけている。彼の遺灰から、いにしえのフェニックスのそれのように、インドの良心が新しく生まれた――魔法の鳥――彼女の単一性への、そしてその「偉大なるメッセージ」への信仰、それはヴェーダの時代から、彼の古い民族のゆめみる精神によって深く思いつづけられてきたメッセージである。他のもろもろの民族がそれに負うところは莫大である。
― ロマン・ロラン