ラーマクリシュナの好まれた歌
(おもにベンガル地方の信仰歌)
わが母なる神
全能の、未知の、そして不可知の。
(一)カーリ、わが母なる神を知る人があるか。絶対者(カーラ)永遠の霊、の配偶者である彼女。六派の哲学さえ、彼女の御姿を見ることはできない。
ヨギは常に、ムラーダーラとサハスラーラで彼女を瞑想する。
この蓮華の果てしないひろがりの中を雌雄のガチョウが歩きまわり、やがてつがう。まさに、彼らは永遠の霊(シヴァ)および彼の配偶者。
(二)わが母なる神は絶対者シヴァの最愛の者、まさにシーターがラーマの最愛の者であるように。
わが母なる神の偉大さ――普通の者は知ることのできない偉大さ――を知るのは永遠の霊(絶対者)のみ。彼ほどに、他の誰が知ることができよう。
(三)わが母なる神は大宇宙を産む――まあ彼女の偉大さを考えてみよ!
思いのままの姿をとり、形ある存在のおのおのに、威厳をもって現れていらっしゃる。一切物の中に、彼女自身のおぼしめしがこもっている。
(四)讚歌作者プラサードは言う、人が彼女を知ることができると思うのは、自分は大海を泳ぎ渡ることができる、と思うようなものだ、人々はそれをきいて笑うだろう! と。
私は頭ではそのことをよく理解する。しかし、ああ! 私のハートはそれを認めようとしない。月に行きたいとこがれるのはこびとだ。
◆ ◆ ◆
おお母よ、ただ、あなたの聖き御名をとなえつつ死なせてください。
そのときに、最後にはあなたが解脱をくださるものなのかどうか、私にわかるでしょう。
あなたの御名をとなえていれば、私はかりにブラーミン、または女、または母の胎内の赤児を殺したとしても気にはしません!
酒を飲む罪を犯したとしても気にはしません!
ひとときの間も、私の罪が私を苦しめることはありません!
あなたの御名をとなえれば私は本当に、あなたが宇宙の創造者に任命なさったそのお方(ブラマー)の御座さえ、望むでしょう。
◆ ◆ ◆
瞑想せよ、主を、おおわが心よ! 彼は霊のエッセンス。いかなる不純性にも縛られない! その栄光は比類がない。彼の姿の美しいこと。彼はその信者たちのハートの中で、どれほど深く愛されておいでのことか!
見よ。彼の美は、みずみずしい愛の現れによってさらに高められる! それは、百万の月に光を失わせる! まことに、彼の輝かしい美は電光を放つ! それを拝した者の髪は逆立つ。
◆ ◆ ◆
何で私に甘い果実などがいるか。私は生命を充実させる果実――私のハートに植えてある神の樹(カルパ)になる、解脱という果実――を持っている!
私は宇宙の主(ラーマ)と呼ばれるこの天上の樹の下にすわる――私の集める果実はみな、私はこの樹からとるのだ。
果実については、私に断固と保証させてくれ、私は世間があたえ得る果実を受けとる者ではない。