不滅の言葉 1964年12号
スリ・ラーマクリシュナの言葉
ある日スリ・クリシュナは、アルジュナをのせた馬車を駆りながら空を見上げて言いました。「ごらんなさい! 何という美しい鳩の群でしょう!」アルジュナはすぐに眼をその方に向けて叫びました。「ほんとうに、友よ、実に美しい鳩の群ですねえ!」ところがその次の瞬間にスリ・クリシュナは再び見上げて言いました。「いいえ、友よ、彼らは鳩ではないようです。」アルジュナもすぐに見上げて言いました。「ほんとうに、彼らは鳩ではありません。」さて、この話の意味を考えてごらんなさい。偉大な真理信奉者であったアルジュナは、ただスリ・クリシュナにへつらうために何でも彼の言うことに迎合した、というのではありません、彼はスリ・クリシュナに対してゆるぐことのない信仰を抱いていたので、スリ・クリシュナの言葉は直ちに現実となって彼の眼にみえたのです。
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現代の人は一切のものの本質を求めます。彼らは宗教の本質を受け容れて、そうでないもの(儀式や教理)を受けつけません。