不滅の言葉 1964年11号
永遠の伴侶 部分
スワミ・プラバーヴァナンダ
グルとしてのマハラージ(その一)
スリ・ラーマクリシュナは或る時こう言われた。「蓮の花が開くと蜂達はおのずからやって来て蜜を集める。人の心の蓮が神の喜びに花ひらく時、霊の求道者は彼のもとに群らがるであろう。」幾度となく、我々はマハラージが信者達の群れに囲まれて坐っているのをみた。いま小児の様に嬉しそうに興じていたと思うと、次の瞬間には彼の心は内部に沈潜し、あたりの空気は神の現前の気配に振動するのであった。この様な時には、彼に会うために来ていた人々は自分達の疑いや悩みがすでに解決していることに気づいた。彼等はまだマハラージ自身と一語を交したわけでもないのに高められ慰められて立ち上り、彼の面前を去るのであった。
僧団にはホーリーマザーの弟子達やスワミジーの弟子達が大勢属していた。然し彼等の大部分は、各自の師匠との接触の経験を殆ど持っていなかった。スワミジーは一九〇二年に入寂した。ホーリーマザーは僧院の中に住んでいなかった。彼女は自分の弟子達に、マハラージの命ずる訓練に従う様すすめた。マハラージ自身も弟子を受けいれた。然し、最初は彼は大変に几帳面であった。何年間も試みた後にはじめて入門を許した。入門の儀式の間中、マハラージは愛の恍惚にみたされ、弟子は神の現前の異常な実感にふれるのが常であった。................